リフォームとは、住宅など居住空間における改築・改装を表す和製英語です。単にリフォームと聞くと、家をより快適な空間にするためのリフォームがよく連想されますが、この物騒な世の中に役立つ「防犯リフォーム」というものがあるのをご存知でしょうか。防犯リフォームはその名のとおり防犯を目的としたリフォームで、さまざまな自宅設備を改装することで、空き巣や強盗などの侵入を防ぐことが可能となります。
今回は、防犯のリフォームというのは具体的にどういった内容があるのかを解説していきます。
泥棒はどこから入ってくるのか
防犯リフォームを行う目的として、まずは「侵入経路を塞ぐ」というものがあります。これによって、空き巣や泥棒、強盗の被害を防げます。それでは、泥棒というのはどこから入ってくるものなのでしょうか。
戸建住宅の場合、侵入経路の7割が「窓から」
戸建住宅の場合、侵入経路の7割は「窓」です。それに次いで多いのが玄関、そして「その他」と続きます。
2階のベランダによじ登って2階の窓を破って侵入するケースや、1階居間の掃き出し窓を破って侵入するケースが非常に多く、これらの窓は特に侵入しやすい経路となっています。また、少し侵入しづらくはなるものの、1階の腰高窓からコンクリート塀やエアコン室外機などを足がかりに侵入するケースもあれば、マンションの場合は腰壁を乗り越えその階の屋上からその上の階のベランダによじ登り、ベランダの窓を破って侵入するケースもあります。
防犯リフォームにはこうした窓に施すリフォームもあります。玄関の場合は、ピッキングによって破られる場合もありますが、施錠し忘れていた場合というのも少なからずあります。玄関のリフォームは主に、鍵によるロックを強化するリフォームが多くあります。
侵入を諦めるかどうかの時間の目安は「5分」
財団法人都市防犯研究センターによる調査データによると、侵入に際して5分以上の時間を要してしまう場合、おおよそ70%の泥棒が侵入を諦めるという統計が出ています。
玄関にしろ、窓にしろ、決して破られないというのは無理としても、少なくとも短時間では破れないような堅牢性を持たせることによって、相対的に泥棒の被害を大幅に減らすことが可能になります。また二重窓や防犯サッシなどでしっかり防犯しているという見た目にすることも、泥棒が諦める可能性を上げるために重要な処置となります。
窓のリフォームは防犯ガラスにするのが最も手っ取り早い
ここからは、リフォーム箇所ごとのリフォームの種類とその効果について解説していきます。まずは、泥棒の侵入経路の7割を占める「窓」からです。
防犯ガラスへの交換
泥棒が侵入する際に最も多いのは「ガラスを破って侵入する」というものです。警備会社のホームセキュリティを導入していたとしても、ガラスを簡単に破られてしまえば、警備会社の警備員が到着する頃にはごっそりと金目のものを盗まれているといったこともありえます。
そのため、まずはガラス自体を破りにくくすることが大切です。ガラスの強度を高めるために一見効果がありそうに見えるガラスとして網入りガラスがありますが、実は網入りガラスは物理的衝撃に対する強度が少ないのです。単に防火性能が高いというだけなので、一般的なガラスと強度はそう変わりません。
防犯ガラスはガラスとガラスの間に樹脂膜を敷いているのが特徴です。ドライバーやバールといった器具では樹脂膜までは破れないため、割られてしまうことを防げます。建築基準法により網入りガラスを設置しなければならないとされている地域もありますが、防犯ガラスに交換できる環境であれば、交換しておくだけでも飛躍的に防犯効果は高まります。
防犯ガラスよりは効果が落ちるものの、防犯フィルムをガラスに貼る方法もあります。これは通販で簡単に手に入るので、DIYによる施工も可能なのも手軽で便利です。
防犯シャッターや雨戸の設置
また、理想を言えば防犯ガラスへの交換とともに、防犯のためのシャッターや雨戸を設置しておくとなおよいでしょう。金属製の頑丈なシャッターを設置し、夜間や長期外出時に閉めておくことで、窓からの侵入を諦めさせられます。窓ならば頑張れば割れますが、金属製のシャッターを破ることは非常に難しいからです。シャッターや雨戸の設置は少し費用が高くなってしまいますが、窓だけの対策よりは防犯効果は断然高くなります。
玄関などのドアリフォームは鍵・ロック周りの機能強化が中心
次は、玄関周りのドアリフォームについて解説していきましょう。玄関のリフォームは主に鍵の機能を強化することが中心となってきます。
玄関の防犯対策は「1ドア2ロック」が今や常識
集合住宅の玄関では、玄関にあるU字やチェーンタイプの「ドアガード」がよくついています。このドアガードは、実は基本的には訪問セールス対策として用いられるものであり、基本的には防犯性能はないといってよいでしょう。手口を知っていれば、簡単に外から開けられてしまうからです。
そのため、1ドア1ロック、それにチェーンやドアガードがついていたとしても、玄関のロックさえピッキングでこじ開けてしまえば、ドアガードなど簡単に突破できてしまうので、防犯対策としてはほぼ無意味です。今の防犯対策は、「1ドア2ロック」が最低ラインです。ドアガードを設置するにしても、ドアガード自体にロックがかかるものを使用しましょう。
ピッキング防止のためにカードキーに変更する
玄関から泥棒が潜入する場合、金具などにより無理矢理こじ開ける「ピッキング」を行う場合が多い傾向にあります。近年では、このピッキングそのものを行わせないために、鍵穴自体をつけないカードキーを使ったカードロックに変えるという手段もあります。近年ではスマートフォンを使ったスマートロックなど、鍵自体が多様化しているので、単純なシリンダー錠のみではなく、電子錠も検討してみましょう。
こうした電子錠に加えてさらにシリンダー錠を追加することで補助錠とし、1ドア2ロックを実現させるのが最も理想的です。ドアロックには「CP製品」という防犯規格のものがあります。CP製品というのは事前の検証で侵入に5分以上かかるもののみに付与される規格ですので、そうした製品の鍵に変えるというのも効果的です。
防犯は鍵や窓の強化だけでは不十分、周辺環境も整えよう
実は防犯対策は鍵や窓だけでは十分とは言えません。人に隠れて作業できるスペースが多ければ、なんらかの策を取られて侵入を許してしまう可能性が高くなります。
そのため、周辺環境も防犯に適したものに変えられればそれが理想となるのです。例えば、特に玄関や窓について、周囲からの見通しをよくすることが挙げられます。庭の木やコンクリート塀などでプライバシー性を高くするというのもエクステリアとしては重要ですが、あまり見晴らしが悪いと侵入者にとっても有利な環境となってしまいます。近所から侵入者が見えやすいよう、オープンに見晴らしのいい家にすることも防犯対策には役立ちます。
また近隣住民と密に交流することで相互監視の習慣をつけることや、防犯カメラの設置など、そもそも不審者の行き来そのものを許さない環境づくりも大切になってきます。侵入経路に侵入すらさせないことこそ、最も効果の高い防犯対策です。
まとめ
以上、防犯リフォームの種類や特徴、種類別のメリットなどを一通り説明してきました。防犯は資産を守るためだけでなく、生活の安全を守るためにも非常に重要なもので、防犯対策が不十分だったがために空き巣だけでなく重大な犯罪に巻き込まれてしまう可能性が高まるのは、非常に残念なことです。命には代えられませんので、早めに防犯策をとることをお勧めします。
沼津エリアで防犯リフォームをご所望であれば、ぜひとも「大川建設株式会社」へお任せください。大川建設では、防犯性能の高いガラスへの交換や、面格子・雨戸やシャッターの追加、ガラスフィルムの貼付などさまざまな防犯リフォームに対応しています。公式ページでは静岡県警の統計を元にした侵入経路の掲載、防犯ガラスの細かい説明などもあります。
ぜひ一度、公式ページにアクセスいただき、自宅の防犯性能に不安を感じたら、お気軽にお問い合わせください。