リフォームとは、住宅などの改築・改装を表す和製英語です。増築や改築などは明確なコンセプトがあって自発的に家主が実施していくものですが、水回りのリフォームは必然的に緊急で行わなければならない場合もあります。災害などで住居に損害が起きた場合には、水回りのトラブルは住宅にとって致命的な問題となりますので、早めの解決が望まれます。今回は、水回りのリフォームについて詳しく解説していきます。
建築において最も重要なのは「防水性」
新築にしてもリフォームにしても、建物において重要と叫ばれるのは「防水性」です。
建物に水が入ることは屋内が水浸しになったときに、「それはそれで困るけれど、そこまで問題はないだろう」程度の認識でいる方もいるかもしれません。しかし実は、建物にとって水というのは非常に怖いものです。建物に水が入ってしまうことでなにが致命的かといえば、建物の根幹部分となる骨組みの部分の腐食を招くところです。
建物の根幹部分というのは、たとえば柱や梁など、建物を支えている部分のことです。木造の場合のみならず、鉄筋の場合でも、水の浸入は致命的な問題となります。木材の場合は水によって木が腐ってしまいますし、鉄筋の場合でも錆び付き経年劣化の元となります。
水回りのトラブルは早めの対策が必須
リフォームの中でも特に緊急性が高く即座に対処が必要になってくるのは、水回りのトラブルです。先程述べたように建物にとって最も致命的な問題が水の浸入です。こうした水に関係するトラブルの場合、長く放置しておくと建物内部が腐って最悪倒壊の危険性が出るなど、生活に大きな支障が出るリスクがあります。そのため、緊急の対処が必要となる場合が多くなっています。
水回りのリフォームが必要になる例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 台所の水漏れ・排水溝の詰まり
- お風呂の排水溝が詰まって水が溜まってしまう・蛇口やシャワーの水が止まらない
- トイレの水が流れない、あるいは排水溝が詰まってしまい溢れる
- 洗面所の水漏れや、水が止まらなくなる
こうした水回りのトラブルは誰にでも起こる可能性があり、かつ問題としては非常に大きなもので緊急性が高くなる場合が多くあります。こうした水回りの問題を放置しておくと、特に集合住宅の場合は、ほかの部屋にも浸水や排水溝の逆流が起きるなどといった、悪影響を与える可能性があります。
雨漏り・床上下浸水など、自然災害や気候の問題によるリフォームの可能性も
近年、大型台風や記録的な豪雨災害などでかつてない規模で驚異的な降雨が起こる例が増えており、近年では毎年のように日本のどこかで豪雨災害が起こっています。2018年は中国地方、2019年は千葉南部など、豪雨や台風による災害の規模は年々拡大しており、こうした災害による水回りのトラブルによって、リフォームを余儀なくされる可能性も大きくなってきています。
災害による水回りの被害としては、雨漏り、水漏れ、床上・床下浸水、地震や台風が原因の屋根や外壁等の損壊（による浸水）などです。
こうした災害による水回りの問題に関しては、特に床上浸水等の水災の場合、リフォーム・修繕費用が加入している保険の適用を受けて補償される場合もあります。施工の際はあらかじめ、保険会社に連絡しておきましょう。きちんと保険が下りるよう、トラブルの状態を写真や映像などでエビデンスとして残しておくことも重要です。
水回りのリフォームの種類…それぞれのメリット・デメリット
水回りのリフォームに関して、ここからはどういった種類があって、それぞれにどういったメリット・デメリットがあるのかを簡単に紹介していきます。
キッチンリフォーム
キッチンリフォームは、キッチンそのものの形を作り変えるリフォームが基本であり、キッチンの形としては「独立式キッチン」「対面式キッチン」「壁付けキッチン」があります。
「独立式キッチン」のメリットとしては、キッチン自体が独立して別の部屋になっているので、キッチンの臭いがリビングなどほかの部屋に移っていかないというのが最大の利点です。デメリットとしては料理の際に家族とのコミュニケーションが取りづらいということです。
「対面式キッチン」「壁付けキッチン」のメリットとしては、キッチンと食卓が一つの部屋になっているので、コミュニケーションが取れること、キッチンから料理を運ぶのが短い距離ですむというのが挙げられます。デメリットは、調理中の煙や臭いが回りやすく、水回りのトラブルが起きるとリビングにまで被害が広がる場合があります。
洗面台リフォーム
洗面台のリフォームのメリットは、たとえば排水管剥き出しの状態から、収納や土台がしっかりした洗面台に変更することで排水管が守られ、予期せぬ排水管のトラブルを防げることです。デメリットとしては、いざトラブルが起きた時、新たに作った土台も含めて浸水してしまうことと、排水管にアプローチしにくくなることです。
トイレリフォーム
トイレは和式と洋式がありますが、近年では洋式水洗トイレへのリフォームが増えています。男女ともに用を足しやすいのもありますが、トラブルの際に蓋がしっかり閉められるのが大きなメリットです。またトイレの個室空間もより清潔にスマートなものになります。用が足しやすいので、特に清潔感を出すには洋式のトイレが最適です。デメリットは和式に慣れた人が使いにくくなる程度といえるでしょう。
まとめ
以上、水回りリフォームの必要性、水回りリフォームの種類別のメリット・デメリットを一通り説明しました。特に水のトラブルは建物にとって致命的な問題を招く可能性が大きいため、できる限り早急な対処が必須です。トラブルが起きる前にその兆候を察知できれば理想ですが一般の方には難しいので、定期的に専門業者の点検やメンテナンスを受けることが重要です。
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